
ちょっとした言動やしぐさは とても大切
これは、初対面のときだけの注意です。
相手に対し、小さなことでも、なにかひとつだけでも、小さなトゲ(棘)のように、あなたの心に刺さる何か気になることがあれば、「まあ、いいか」とスルーせず、必ず自分自身が納得できるまで、時間をかけて様子をみましょう。
私に相談があった話の中でも、いつも上位に上がっている問題で、「そういえば初対面のときに…」というのをよく聞きます。よく考えれば最初から気になっていた相手のちょっとした言動や、しぐさの話です。
これから少しずつ仲良くなっていこうとする上で、「最初に気になったこと」を簡単にスルーしてしまえば、何年も経つと我慢できなくなるレベルまで大きく成長してしまうことがあります。かなりひどいレベルのDVにまで発展した例もあります。

わかりやすいように「履歴書」を例に挙げます
私は今まで人事採用の面接官として1,000名以上の採用・不採用の決済経験があります(最初はとても小さな会社で働いていたので、初めて面接官をしたのは24歳のときでしたから件数が多いのです)。この経験に恋愛を重ねればわかりやすいと思うので、ひとつ例をご紹介させていただきます。
まず応募者は、履歴書をお送りくださいます。履歴書や卒論というものは、自分が生きていく中でも「メチャクチャがんばって仕上げる文書」のTOP3に入ると思います。
特に履歴書は、「本当の自分をよりよく高いレベルで見てほしい」と願いながら、自分のスキルを最大限に表現するために、超がんばって作る書類です。
履歴書に隠された 意外な重要点とは?
そして送られてきた履歴書について、初めに私が特に気を配って注意する最重要な点は、封筒に書かれた「手書きの宛名部分(住所、社名、宛名の担当者名など)」です。
「①会社名を間違っている」なんていうのは論外で、「②誤植がある」「③ホワイト(修正テープ)や二重線などを使って修正している」「④文字が極端に汚い(あきらかに走り書きしている)」「⑤文字が小さすぎて読みにくい」などをチェックします。

履歴書の作成は応募先に対し、とにかく自分を高く見積もってもらいたいと願いながら進める作業。①~⑤はとても大切で、気遣いが必要な事柄です。履歴書本体はPCなどで作成される場合が多くて比較にはならないので、まずは手書きされた宛名を重視します。応募で言えば、これがとても大事な第一印象です。
最近はペンを使って文字を手で書く作業は減りました。だからこそ、封筒の宛名書きは面倒くさくて困難な作業です。
「がんばって履歴書を仕上げました。さあ送ろう」
…と封筒に入れ、宛名を書くときに「届けばいいんだから宛名なんて…」と軽く扱い気が抜けた時、その方の性格が顕著に表れることがあるのです。
気になる「負の情報」に注意を
相手に読んでもらう手紙や文書は、自分が書きたいことを書くものではなく、相手目線で書くものです。日記のように自分しか読まないようなものとは違い、自己満足であってはいけないのです。「相手がどう読みとくか」―。この一点のみを考えながら書かなくてはいけません。
これは、男性との出会いでも同じです。男性と女性が初めて出会う日、きっとお互い自分自身の第一印象を、とても大切にするでしょう。服装や言動、ふるまい、全て含めて相手に「いい印象を与えたい」と。きっと、普段の自分に比べ、100%以上、なんなら200%ぐらいに魅せるよう、全力でがんばるはずです。
その上で、第一印象で「気になる…」と思った部分があれば、あなたにとっては彼の「負の情報」として、それが小さなことでも心の隅にとどめておく必要があると思います。ただし、この段階ではあくまで「たったひとつの負の情報」にしかすぎません。

初対面での彼はガチガチに緊張しまくりで、本来の自分のいいところを見せられなくて1日が終わってしまった…なんてこともあるかもしれません。
だから、1回目の顔合わせで気になるところがあってもアドバンテージとしてとらえ、次に会う機会があれば、その時に気になっていたところを再度見直してあげるといいでしょう。
「2回目に会ったとき話してみたら、最初の時よりも楽しかった」「気になったところは、私の思い過ごしだったかも」など、天秤が逆に傾くこともあるので、「第一印象が悪かった」と決めつけるのはよくないかも?
1回目に会ったときに迷ったり悩んだりしたことがあれば、一度目に会った環境・条件を変えてみる(例:一度目は映画鑑賞、二度目はショッピング)のもいい作戦だと思います。彼の違った一面が見れるかもしれません。
納得できるまで 出会いを重ねましょう
これは「新しい出会い」というイベントで注意すべきたくさんの事柄の中の、あくまで一つの項目です。数日で忘れてしまうほど気にならないことならいいのですが、小さくても、いつまでも心にささったままのトゲは、なかなか抜けないものです。
もしあなたが「何度も会ってから決めるなんて面倒だ」と思うなら、それはあなたが相手のことをあまり気に入っていないのかもしれません。
少しでも興味があるなら、「また会ってみようかな」ぐらいは思うはずで、ものすごく気に入ったら「何度も会いたい!」と願うでしょう。その温度差は、相手を見極める上でも指標になるでしょう。
いくつかの疑問や気になるところを埋めるためには、一度や二度のデートで「いい人」「悪い人」と決めつけず、何回か会って判断する必要があります。もしかしたら長い年月つきあっていくことになる相手かもしれません。自分の一生に影響を与える人になるかもしれません。
「相手に面倒だと思われるかも」「早く決めないと相手に愛想をつかされるかも」「うかうかしてたら誰かに取られるかも」―。さまざまな不安が心をよぎるでしょうが、自分自身が100%納得できるまで、出会いを重ねるのが後悔しないコツです。