
マッチングアプリで怪しい相手に出会ったとき、「なんとなく怪しい」と感じても証拠や根拠がなければ判断は難しいものです。しかし、基本的な検証手順を知っていれば、自分の手で“危険サイン”を確かめることができます。
ここでは、特別なスキルがなくても試せる技術的な検証方法を紹介します。
プロフィール写真から分かる詐欺の見分け方

画像検索(Google / TinEye)をする
マッチングアプリ詐欺でよくあるのが「他人から盗用した写真」の利用です。
SNSから拾った他人の画像、海外のモデルやインフルエンサー、ストックフォトをそのまま使っているケースもあります。
検証手順はシンプルです。
画像検索の手順
1️⃣相手のプロフィール写真をスクリーンショットまたは保存
2️⃣Google画像検索や TinEye にアップロード
3️⃣検索結果に「同じ写真が出てくるか」を確認
もしモデル事務所や海外サイトで同じ写真が使われていれば、ほぼ間違いなく偽物です。
詐欺師は複数のアプリで同じ写真を流用するため、ヒット率が高いのが特徴です。
AI生成写真・ストックフォトの見破り方
最近はAIで生成した「美男美女の写真」も悪用されています。AI画像は一見自然でも、細部に違和感があります。
AI画像の特徴
☑️加工によって、足や手などが不自然な長さだったり歪んでいたりする。(髪やシワなどの細い部分にエラーが出やすい)
☑️服の柄や背景が不自然に繰り返されている
☑️瞳の中の光の反射が左右で異なる
☑️影の方向がおかしかったり背景が不自然にボカしてあったりする
また、検索結果に「ストックフォト素材サイト」が出てくる場合も要注意。普通のユーザーがプロの素材写真を使うことはまずありません。
👉 事例:実際に「投資話」を持ちかけるアカウントの写真を調べたところ、海外モデル事務所のプロフィール写真と一致したケースが多数報告されています。
写真のなりすましをチェックする具体的な手順
チェック方法
☑️SNSで「名前+画像検索」や逆検索を行い、本人アカウントが存在するか確認
☑️本人が全く違う国・職業で活動しているなら詐欺の場合があります
☑️相手に「別の角度の写真を送って」とお願いしてみる → 拒否されたり、画像が極端に加工されていれば疑わしい
アカウント情報を検証する方法

メールアドレス・電話番号で詐欺を見抜く
詐欺師が使う連絡先は、他の被害報告に使われていることがあります。
確認方法
☑️Googleで「メールアドレス/電話番号」を検索
☑️詐欺被害者の掲示板や注意喚起サイトでヒットしないか確認
☑️フリーメール(特にGmailのランダム英数字)や、海外のSMS番号は注意
日本国内で正規の電話番号を持っていないケースも多く、+86(中国)、+63(フィリピン)など海外番号は要警戒です。
ユーザー名検索で危険人物を特定するコツ
プロフィールに使われる「ユーザー名」や「ニックネーム」も重要な手がかりです。
ユーザー名の検索
☑️同じ名前で複数のマッチングアプリに登録されていないか調査
☑️SNS(Twitter、Instagram、Facebook)で同じ名前を検索 → 実在の人物と一致しなければ怪しい
☑️詐欺師は「同じテンプレ名」を何度も使う傾向があり、掲示板で報告されているケースがある
👉 注意:プロフィールの整合性(例:職業は医師なのにSNSでは痕跡ゼロ)も不自然さのポイントです。
メッセージに潜む詐欺リンクやアプリを確認する

短縮URLを展開して安全確認する手順
「bit.ly」「t.co」などの記述がある短縮URLは、中身を確認するまでは安全なのか危険なのかが判断できません。
リンクを開かずに短縮URLを展開して確認する手順は以下の通りです。
短縮URLの確認方法
1️⃣URLをコピー
2️⃣無料の「URL展開サービス(CheckShortURLなど)」に貼り付けて本当のリンク先を確認
3️⃣本物の金融機関や大手サービスのドメインかどうかをチェック
もし「.xyz」「.top」「数字の羅列ドメイン」など、見慣れないURLならアクセスは避けましょう。
投資アプリ・外部アプリに誘導されたら要注意
詐欺師はアプリ外のチャット(LINEやWhatsApp)や、自作の投資アプリに誘導しようとします。「投資用アプリをダウンロードして」と誘導されたら要注意。
さらにApp StoreやGoogle Playに載っていないアプリであれば詐欺の可能性が極めて高いです。
詐欺の可能性あり
⚠️「公式ストアにないアプリ」は危険(APKファイルを直接送ってくるなど)
⚠️金融庁の金融商品取引業者等に載っていない投資サービスも危険
⚠️アプリのレビュー欄が不自然に高評価で、日本語が怪しい場合も詐欺の典型例
👉 事例:偽の投資アプリに入金した後、出金できずに消える「投資詐欺アプリ」は近年急増しています。
証拠を残すための安全な保全方法

スクリーンショットとPDF化で原本性を担保する
チャット履歴や送金画面は、後で削除される可能性があります。
証拠の保存
✨まずは画面ごとにスクリーンショット
✨まとめてPDFに変換しておくと、改ざん防止になる
✨日付・時刻が分かる状態で保存するのがベスト
クラウドや外部ストレージに二重保存する
証拠は「消えない場所」に保存することが重要です。
二重保存の方法
✨Google DriveやDropboxなどのクラウド
✨外付けHDDやUSBメモリ
スマホだけに保存しておくと、端末破損やアプリの強制削除で消えてしまうリスクがあります。
👉 後で警察やアプリ運営に相談するとき、証拠の有無が対応の明暗を分けます。
まとめ:技術的検証は「怪しい」を確信に変える
さておさらいです。
重要な項目を以下にイラストを使った図でまとめてみました。もしものときのチェックリストとしてスクショ保存してください。

詐欺師の多くは、写真・名前・リンク・送金先・会話パターンのどこかで必ずほころびを見せます。
今回紹介した検証手順を実践するだけで、「直感」から「確信」に変えられる可能性が高まります。自分で調べても不安が残る場合は、迷わず警察・消費者センター・アプリ運営に相談してくださいね。