
承認欲求は 他人には見せない(出さない)ようにしよう
承認欲求とは、「自分の価値を認めてほしい」「自分を他人から認められたい」という願望。承認欲求を持つこと自体は、決して悪いことではありません。多かれ少なかれ、だいたいの人が持っている欲求です。
ただし、あからさまに披露するものではないので、他人にはできるだけ隠しておくようにしましょう。
承認欲求とうまくつきあうコツ
承認欲求を前面に出す人は、他人から見ると、ひとりよがりで、心に余裕がないように映ります。結果、友達がいない、他人はどうでもいい…など、負のイメージを背負うことにつながります。
少なくとも、「承認欲求を出す人が好き」…なんて人は、あまりいないと思います。
ちなみに、多くの人が支持するほど何かに長けていて、それを他人に自慢するのは、ただの承認欲求ではありません。中身がともなっているから、他人が承認したくなる、かっこいい自慢です。
一方で、承認欲求は自己評価を得たいがためではありますが、自分自身を追い込む行為でもあり、自身のスキルを上げる上では、一概にダメな行為とは言い切れません。
大事なのは「ひとりよがり」や「さみしいから」といった自己満足ではなく、「自身を磨く上で必要な行為」というように、目的が違えば意味も全く違ってきます。

大きなトラブルのもとになることも…
また承認欲求は、我慢してストレスや欲求が溜まるとSNSで大きなトラブルのもとになるほど暴発することがあります。後先のことを考えずに書き込んでしまい、後日読み返してみたら自分でも落ち込むほどの暴走をしていた…なんてこともあります。
自分には依存的な承認欲求があり、どうしてもやめられない…という方には、前述のように「自己肯定をスキルアップにつなげるため」だと、考え方を変えてみる方法をお勧めします。
他人への優しさの裏に潜む「メサイアコンプレックス」
メサイアコンプレックスとは、他人に優しくしたり助けたりすることで、自分の抱える劣等感を補おうとする心理です。「メサコン」あるいは「救世主妄想」とも言われます。

承認欲求が末期になると…
自分の承認欲求を満たすため、周りの人をまず困らせて、それを解決することで救世主のようにふるまう…。真相を知らない友だちからすれば「助けてくれてありがとう!」と思える行動ですが、事実は違います。全て自作自演。メチャクチャ怖い作戦です。
でも、自覚症状がないまま、これをしてしまっている人がいるのです。承認欲求の末期の行動です。しかも、メサイアコンプレックスの一番怖いところは、「自覚なく行動してしまっている」点にあります。前記の例のように、ウソをついて問題を作ったりするような極端な行動ではないにしろ、自分では気づかないうちに似た行動をとっている危険があります。
いつのまにか 周りに誰もいなくなって…
ウソじゃなくても、ちょっとだけ盛った話なら…と、SNSの話題作りの感覚で始めてしまって、承認欲求が満たされる気持ちよさから抜けられなくなり、さらにそれが自覚できないまま段々とエスカレートしていく。そしてメサイアコンプレックスの常習犯になってしまう。
怪しいことが重なれば、そのうち友だちもさすがに気づくはず。気がつけば、友だちと言える人は周りに誰もいなくなっていた―。
自分も友だちも被害者になりえる行動。自分にそのような危険がないか、少し振り返ってみましょう。また、異性に対しても同じことが言えます。自分や彼は大丈夫か? 誰にでも起こりえる依存です。早く気づけば、いくらでも対策はできます。

自分でできる 簡単なメサイアコンプレックス対策
SNSは、一度投稿してしまえばネットのどこかに残ってしまい、自分自身では消せなくなる可能性があります。
すぐ「ヤバい」と思って垢ごと消しても、キャプチャを撮られていたり、リプライ画面を残されていたりすると、もう自分の手には負えません。書き込む内容によっては、拡散を前提に考え、短絡的に行動せず、よく考えて投稿する覚悟が必要です。
投稿する前に 少し時間を置く
自身の承認欲求を満たすための投稿は、書きたくなった時にすぐ書き込むのではなく、一度スマホのメモ機能などを使って書いてみて、その文章を少し時間をおいてから読み直し、それから投稿するほうが冷静になれるのでお勧めです。
メモに書くのが面倒なら、少し時間をおいてみてから書くだけでも有効です。午前中に書きたかったことを午後から書く…などにするだけでも、効果はあります。
「盛りすぎ」に注意する
「話を盛る」のと、「ウソをつく」のは限りなく近いです。「盛る」ほうは罪悪感が少ないように思えますが、「事実と違う」という点で、もう既にウソなのです。
ただ、「盛る」はすごく幅が広いです。ちょっとだけなら冗談で許されることは多いでしょうが、盛りすぎないよう注意しましょう。
特にSNSでは「少しぐらい盛らないとバズらない」とか思う人が多いのは事実で、盛ることが当たり前、盛るのは悪いことじゃない、と思っている人もいます。
でも、ずっと盛り続けていると、心の中に刺さったほんの小さな棘が何本も溜まっていき、知らないうちに心に大きなストレスを抱え続けている場合もあります。

そうなれば、盛っているという感覚が薄れて麻痺し、本当の話を「おもしろくない」と錯覚をしてしまって書けなくなる、という事態にも。
話を大げさにしすぎてスベッてしまう…というのは一流の芸人でもある話。話を盛って一時的にバズっても、結局はあとで必ずボロが出ます。
できれば、あまり盛らなくても楽しく読める文章を書けるスキルが身に付けば、一番いいと思います。 基本は、「読みやすい文章作り」。このスキルを身に付けることができれば、ひとりよがりの承認欲求は、自然となくなっていくと思います。